ダイエットをされている方やダイエットしたい!と考えている方は、糖質制限ダイエットとカロリー制限のどちらをやろうかと悩んだことがあるかもしれません。
ダイエットは食事8割、運動2割と言われていますので、食事制限でダイエットを行うのは有効そうです。そこで、代表的な食事制限ダイエットである糖質制限ダイエットとカロリー制限ダイエットの違いについてまとめてみました。
ダイエットをしようか迷っている方は、自分にどちらのダイエット方法が向いているのか考える際に参考にしてみてください!
目次
カロリー制限で痩せるメカニズム
ではまず、カロリー制限でやせるメカニズムについて見ていきましょう!
カロリー制限の基本的な考え方は、
- 体重の変化=(摂取カロリー)−(消費カロリー)
という式で表せます。つまり、摂取するカロリーよりも消費するカロリーの方が大きくなれば体重が減りますよね、という単純なものです。このわかりやすさが、これまでカロリー制限ダイエットが支持されてきた理由の一つです。
また、
- 消費カロリー=(基礎代謝)+(運動等によるカロリー消費)
となります。基礎代謝は、年齢、性別、体重等によって変わります。
つまり、カロリー制限で痩せるには下記のいずれかを行えば良いということになります!
- 食べるものを減らして(摂取カロリー)を減らす
- 筋肉量を増やして(基礎代謝)を上げる
- 有酸素運動をして(運動等によるカロリー消費)
食事は低カロリーなものにする必要があります。三大栄養素である、炭水化物、脂質、タンパク質のうち、脂質のカロリーが最も高いため、摂取するカロリーを減らすには食事の脂質を減らす事になります。
糖質制限でやせるメカニズム
では次に糖質制限でやせるメカニズムについて見ていきましょう。
まず、糖質を摂った時に、人間の体の中でどのような変化が起きるかを説明します。
- 糖質を食べると、血液中の血糖値が上がります。
- 血糖値が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
このインスリンは別名「肥満ホルモン」とも言われており、太る原因になるのです。インスリンの働きですが、
- 肝臓や筋肉に血糖を取り込ませることで血糖値を下げます
ただ、肝臓や筋肉に取り込める血糖には上限があります。それでは、取り込めなかった血糖はどこに行くのでしょうか?
実は、余ってしまった血糖が行き着くのが脂肪なのです。インスリンは血糖を中性脂肪に変えてしまうため、脂肪がつき、太るのです。
また、体内の脂肪が増えてくると、インスリンの効き目が弱くなり、血糖を効率的に取り込めなくなってしまいます。そうすると、血糖を取り込むために大量のインスリンが分泌され、ますます中性脂肪を合成する、という悪循環に入ってしまうのです。
カロリー制限のように単純な計算式で表すことができないので、若干とっつきにくいかもしれませんが、
- 脂肪を合成するのはインスリン←インスリンを分泌するのは糖質
であるため、糖質制限で摂取する糖質量を少なくすることで中性脂肪の合成を防ぐというメカニズムです。
糖質制限とカロリー制限で食べられないものの比較
糖質制限とカロリー制限では痩せるメカニズムが違うので、食べられるものも違ってきます。ここでは、簡単に糖質制限とカロリー制限のそれぞれで食べられないものをまとめてみます。
糖質制限で食べられないもの(糖質の高い食材)
糖質を多く含む食材には気をつける必要があります。糖質制限ダイエットにも強弱があり、1日あたりの摂取糖質量が違います。ただ、下記の食材は糖質を多く含むため気をつける必要があります。(下記は一例になります)
一般的にヘルシーと呼ばれる食べ物とは少し異なるので注意が必要です。お寿司などはヘルシーのような気がしますが、(糖質たっぷりの)お米+(糖質の入っている)お酢、の組み合わせなので糖質制限中はNGです。
主食
- ご飯
- パン
- パスタ、うどん、そば、春雨などの麺類
根菜や穀物
- イモ類
- 小麦やコーンなどの穀物
その他
- かぼちゃ
- れんこん
- ドライフルーツ
- バナナ
- 砂糖の入ったスイーツ
- ビール
- 甘いジュース
カロリー制限で食べられないもの(カロリーの高い食材)
脂質の多い食材はカロリーが高くなるため、脂質を多く含む食材に気をつけましょう。カロリーの高い食材については皆さんイメージしやすいかと思いますし、メニュー等にも表示されている事が多いため、代表的なものを一部のみ記載します。
高カロリーの食事
- ステーキ
- カツ丼
- 天ぷら、フライ
- カレー
- ラーメン
- オムライス
- 中華全般
- ハンバーガー
糖質制限とカロリー制限の減量効果を比較
糖質制限とカロリー制限で結局どちらのほうが痩せるの?と思っている方も多いと思います。結論から言うと、正しく続けることができればどちらも痩せます。
ポイントは、正しく続けられるか?ということです。
効果があったとしても、あまりに辛かったら続けるのは難しいですよね。ですので、自分にあった方法を選ぶのが正解です。
参考までに、糖質制限とカロリー制限(脂肪制限)を比較した研究の結果を示します。糖質制限は糖質を制限しますが、全体の食事量は制限していません。一方、カロリー制限は全体の食事量を制限しています。
研究 | 期間(月) | 糖質制限で 減った体重 |
カロリー制限で 減った体重 |
1 | 3 | -9.9kg | -4.1kg |
2 | 6 | -7.6k | -3.9kg |
3 | 6 | -5.8kg | -1.9kg |
4 | 5.5 | -12.9kg | -6.7kg |
5 | 12 | -4.7kg | -2.2kg |
6 | 24 | -4.7kg | -2.9kg |
*2000年以降に行われた研究(統計的に優位なもののみを抜粋)
出典:ジョン・ブリファ著「やせたければ脂肪をたくさんとりなさい」(朝日新聞出版)
こちらの結果を見ると、糖質制限もカロリー制限も体重が減っていますが、体重減の効果は糖質制限の方が大きくなっているのがわかります。
カロリー制限の落とし穴
先ほど書いたように、カロリー制限ダイエットのメカニズムは
体重の変化=(摂取カロリー)−(消費カロリー)
で表わされるのですが、実はここに落とし穴があります。
カロリー制限の基本は、摂取カロリーを減らし、消費カロリーを増やします。しかし、実は体重が減るにつれて、消費カロリーが小さくなるのです。これは、同じ体なら体重が軽い時のほうが重い時より使うエネルギーが少なくて済むからです。
つまり、カロリーが不足すると、代謝にブレーキがかかり、エネルギー消費が低くなるのです。
また、カロリー制限を行っていると、食べられる食事の全体量が制限されるため、必須栄養素が不足するおそれがあります。バランスよく食事をとれれば良いのですが、カロリー計算は簡単ではないため、ついカロリーが低い同じものばかり食べてしまい、栄養が偏ってしまう事があります。
こんな人は糖質制限に向いている
糖質制限、カロリー制限それぞれの特徴は理解いただけたと思いますので、最後にこんな人は糖質制限が向いている、というリストをまとめました。
こちらを参考にして、私に当てはまる!と思った方は、ぜひ糖質制限にチャレンジしてみてください。
ダイエット中もお腹いっぱい食べたい人
糖質制限は「糖質」のみを制限するため、全体の食べる量は制限されません。ですので、極論すると、糖質ゼロのものであればいくらでも食べて良いということになります。
もちろん、間食もしてOK!
ダイエット中だけど、空腹と戦うのは嫌!という方は糖質制限に向いているかもしれません。
面倒なカロリー計算をするのが嫌な人
糖質制限は糖質さえ制限すればよいので、カロリー計算をする必要がありません。糖質の高い食材を覚えて、それを避ければよいのです。また、糖質の低い自分の好きな食材を見つけることができれば、毎回難しい計算をする必要はありません。
主食系は糖質が高いのですが、糖質の低い食材はたくさんあるので、それほど食事が制限されることもありません。
お肉が好きな人
お肉が大好きな人は糖質制限が向いているかもしれません。なんと、糖質制限ダイエットであれば、ダイエット中なのに焼き肉に行くことができます!
また、ステーキやロカボ(低糖質)なパンを使ったハンバーガー、フライドチキンなんかも食べることができます。カロリー制限では食べられないものばかりですよね。
いかがでしたか?
糖質制限をやるかカロリー制限をやるか迷っていた方は今回の記事を参考にしてみてください!